積立投資を約10年継続すると、その間に信託報酬(手数料)の安いファンドはたくさん出てきました。
長年積み立てたファンドの中には利益が出ているが、手数料の高いものもいくつかあります。
そういったものを乗り換えるべきか、そのまま積立投資していたお金を同じような指数に連動したより手数料の安いファンドに乗り換えるか
利益が出ている場合と利益が出ていない場合でちょっと考えてみました。
最初に結論です。
利益が多く出ている場合は無理に乗り換える必要はない!
利益が少し出ている場合はちょっと考える。
利益が出ていない、もしくは、マイナスが出ている場合、すぐに乗り換える!
利益が出ている場合の考察
まず、今回の前提条件
今回乗り換え前、乗り換え後のファンドの例を挙げて考えてみます。
・乗り換え前、乗り換え後のファンドが採用してる指数は同じものとする。
・乗り換えを行った後に同じファンドを購入しない。
乗り換え前ファンドの例
・信託手数料 0.5%
・購入総額:100万円
乗り換え後のファンドの例
・信託手数料 0.1%
・購入総額:乗り換え前のファンドの購入総額+損益額−税金
利益が多く出ている場合→乗り換える必要はない。
サンプル事例です
乗り換え前のファンド 購入額100万円に対して50万円の利益が出ている
結論:売却しての乗り換える必要はないと思います。
理由として、
50万円の利益に約20%の税金がかかるので、乗り換え時に評価額が10万円下がります。
10万円を手数料の差で回収しようとすると、
乗り換え前:150万の0.5%=7,500円/年
↓↓↓↓
乗り換え後:140万の0.1%=1,400円/年
この2つの数字から税金の10万円を回収しようとすると、
10万円/6,000円=16.6年
となり、乗り換えによる手数料のメリットを受けるには16年かかってしまいます。
よって、
利益がたくさん出ている場合、売却によるメリットはないです。
売却によるメリットを享受しようとするとこの例の場合だと16年かかってしまいます。
利益が上記の例よりも大きい場合、手数料の差が小さい場合だと、メリットを受けるの時間がかかってしまいます。
利益がそこそこ出ている場合、
サンプル事例です
乗り換え前のファンド 購入額100万円に対して5万円の利益が出ている
結論:売却しての乗り換えてもいいと思います。
理由として、
5万円の利益に約20%の税金がかかるので、乗り換え時に評価額が1万円下がります。
1万円を手数料の差で回収しようとすると、
乗り換え前:150万の0.5%=7,500円/年
↓↓↓↓
乗り換え後:149万の0.1%=1,490円/年
この2つの数字から税金の1万円を回収しようとすると、
1万円/6,000円=1.5年
となり、乗り換えによる手数料のメリットを受けるには1.5年になります。
なので、
利益がそこそこしか出ていない場合、売却によるメリットは比較的早く得られると思います。
売却して乗り換えるのもありですが、近いうちに現金を使う必要があり、そこで取り崩して行う場合は無理に載せ替える必要もないと思います。
利益が出ていない場合、
サンプル事例です
乗り換え前のファンド 購入額100万円に対して10万円の損失が出ている
結論:売却しての乗り換えるべきだと思います。
理由として、
損失が出ている場合は税金がかかりませんので、
乗り換え前:90万の0.5%=4,500円/年
↓↓↓↓
乗り換え後:90万の0.1%=900円/年
乗り換えた時点で、年3,600円のメリットが出てきますね、
なので、
利益がなく、損失が出ているような場合、売却による乗り換えのメリットはすぐに得られます。
結論です。
利益が多く出ている場合は無理に乗り換える必要はない!
利益が少し出ている場合はちょっと考える。
利益が出ていない、もしくは、マイナスが出ている場合、すぐに乗り換える!
新商品(ファンド)が色々出ますけども、
手数料が安くなったからと言って、すぐに乗り換えるのは色々問題ありますね。
どのくらいメリットが出るのか計算してから出ないと意外と損をしてしまう可能性があります。
まぁ、利益が出ていたらいずれは税金は取られるんですがね。。。